カリフォルニアのABA療法事情

自閉症の治療で最も有名なのは、ABA療法でしょう。
そして、この療法の発祥の地はカリフォルニア州です。

私達家族が米国に来るに当たって、最も期待した事の一つは
ABAを初めとする療法に医療保険が適用されるので、
多くの時間を安い費用で受講できるという期待でした。

米国では数が多く選択肢も多い民間のクリニックで保険の適用により治療が
受けやすくなり、公立の学校でも学校区の援助で週に何時間かの
治療が無料で受けられる様になると事前にネット等の情報で認識していたのですが、
実際にアメリカに来てみると、少し状況は違っていました。

ABA療法とは:

ABA療法はアメリカでは保険が適用されるほど一般的な療法です。
発達障害の子供1人1人の問題行動を分析し、その行動の理由を突き止めます。
子供自身にその行動を起こさなくても欲求を満たせる事ということを、
段階を踏んで学習させることで、最終的に問題となる行動を
とらないようにする療育です。

ABAセラピストという専門職の担当者が行動の分析と改善を図ります。

効果の期待ができるものの、日本ではABA療法を扱う施設がそれ程、
まだ多くはありません。一方で、米国では非常に多くのクリニックがあります。
ABAセラピストに直接合って診断だけしてもらう事も出来ます。
ABAセラピストに療育プラグラムを組んでもらう事により自宅でも
療育が可能です。

例えば、日本ではABAは医療行為としては認められない為、
全額自己負担です。

クリニックにより料金も違いますが、ひと月で10万円ぐらい
かかる事もあります。

米国においても、全額負担ではありませんが、例えばうちの子供が
入っているBlueshiedの医療保険では、週に二回二時間までは半額カバーされます。

但し、これも自分の入っている保険のレベルによりカバー率が違ってきます。
同じ保険会社でも、毎月の掛け金が大きい保険ほどカバーの率が大きいですし、
保険会社によっても違います。

また、クリニックによって、どの保険会社の医療保険が適用できるかも違います。

米国で大手のBlueshield,Blueross,Kaiser Permanente,Cigna,Aetna
あたりの保険は適用出来るクリニックが多い様です。

ABAクリニックの現地事情

検索エンジンで探して、5,6か所を訪問しましたが、
どこも「ABAは数か月先まで一杯」の状態です。

日本から米国に移住される方は、まずは、この点を認識された方が
いいと思います。

特に、学校が終わった後の午後3時以降はクリニックのゴールデンタイムで
そこでABAを受講できるのは至難の業で、半年~1年以上の予約待ち期間も
覚悟しなければならないと思います。

午前中の時間帯でも数か月待ちの状態です。

一方で、クリニックを訪問してABAを受講するタイプでなく、
セラピストが各家庭を訪問してセッションを行ってくれるタイプであれば
もっと早く受講出来る様です。

この訪問型は、どこのクリニックでも行っている訳ではありませんが、
高い賃料を支払ってオフィスでセッションをするよりも
多数のセラピストを登録して、必要とする患者さんと仲介する様な
「ABAセラピスト仲介エージェンシー」の様なタイプです。

いくつかのクリニックを訪問してみた結果、
カリフォルニアでのABAの料金の価格帯は、グループセッションで
1時間$50ぐらい。マンツーマンで1時間$100ぐらいです。

保険が効くとはいえ、かなり高額ではあります。

学校区からのABA援助

このブログの他の記事(下記)でも書いたのですが、
近年は医療保険によるABAの治療費のカバーが始まった為、
学校区からの援助は殆ど無くなりました。

ネット上では、10年ぐらい前のロスで学区からABAの援助を受けた方達の
体験レポートが今でも、ある自閉症支援団体のサイト上で見れますが、
現在はこの状況は変わっています。

※但し、ABAのセッション内容を知るのには非常に役立つ。

例えば、
「民間のABAセラピスト派遣のエージェンシーの費用援助を、
リージョナルセンターや学区の両方にリクエストしたが、承認されず、
学区とのIEPミーティングにアドボケイト(advocate)という障碍児の
権利を代弁してくれるソーシャルワーカー等の専門家を雇い、
交渉を続けたが、それでも認められずに、最後は弁護士を雇い訴訟をした」
という様な事が、よく書かれています。

※IEPミーティングとは、学区と保護者の教育プログラム作成の定期会合。

米国の特別教育関連のブログで「弁護士を雇うべき」という記事は良く見ます。

しかし、現在ではABAの治療は医療保険である程度カバーされますので、
訴訟までを起こす人はほとんどいないでしょう。

弁護士費用も数千ドルはかかりますし、訴訟準備の為に
脳神経外科や精神科の専門家から、この子供には何故ABAが必要なのか
というレポートや、ABAを実践してみたその効果等を訴訟で
論理的に説明出来なければなりませんが、その手間暇も相当かかります。

ちなみに、現在ではリージョナルセンターから割り当てられる担当の
ソーシャルワーカー(無料)が、IEPミーティングに参加してくれたり、

リージョナルセンターにおいて障碍者や低所得者に対して、
州の医療保険援助(カリフォルニア州ではMedi-CAL)等を
受ける事が出来ます。

但し、民間の医療保険でカバーできない部分に対して、
Medi-CALを適用する事になりますので、実際は、
既に医療保険を持っている方には、あまり使えません。

障碍児とアメリカに移住するとどんな事が必要なのか?

1 個のコメント

  • こんにちは。
    私は東京でABAプログラムを行なっており、RBTの資格を取得したものです。
    今年中には、アメリカのカリフォルニア でRBTとして働きたいと思っているのですが、仕事取得について情報がありましたら、何でも大丈夫ですので教えていただけますでしょうか?
    よろしくお願い致します。

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